パーキンソン病・パーキンソン症候群(2022.5)

パーキンソン病(Parkinson disease)
多くは孤発性で中年以後に発症する。無動,固縮,振戦,姿勢反射障害の4運動徴候が主症候で,これらに便秘・膏顔〈あぶらがお〉などの自律神経症候,うつ状態・思考緩徐などの精神症候を伴う原因不明の進行性の疾患。振戦は安静時に発現し,運動時にはむしろ減少する傾向があり,安静時振戦(resting tremor)と呼ばれ,疾患特異性が高い。しかし,病名に用いられている振戦を欠く例も少なくないことがシャルコー(Charcot JM)により早くから指摘されている。病理学的には黒質緻密層のドパミン含有細胞,青斑核のノルアドレナリン含有細胞の変性脱落,これら細胞内または無名質などにレヴィ小体と呼ばれる細胞内封入体がみられる特徴がある。治療としてL-ドパ製剤,最近開発された各種のドパミン受容体作動薬などを用いる。最近,遺伝性を示す家系が報告され,その遺伝子座や原因遺伝子が決定されている。


パーキンソン症候群(parkinsonian syndrome)
パーキンソン病類似の運動症候(パーキンソニズム)を呈する疾患群の総称。一次性と二次性がある。パーキンソン病とは異なる変性疾患で(一次性に)パーキンソニズムを呈する疾患(例えば,進行性核上性麻痺,線条体黒質変性症,大脳皮質基底核変性症など多数)を包括的に指す場合と,別の原因疾患によって(二次性に)パーキンソニズムを生じた状態(例えば原因として,薬剤性,脳血管障害,脳炎後,中毒,正常圧水頭症,脳腫瘍,慢性硬膜下血腫,頭部外傷など多数)を指す場合がある。パーキンソニズムが同義で用いられる場合がある。
医学書院 医学大辞典 第2版より抜粋

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